2007/12/3
SUM VIB ration


本来のペースにて随分お待たせいたしましたが、
遂に正式リリース直前と相成りました!

サムルアーズとしては新たな素材(発泡樹脂)への挑戦となった今回の2アイテム。
共に試作の段階から上々の滑り出しで釣果もグッド!
更に見た目の雰囲気もこれまでのインジェクションタイプやウッドバージョン、
ハンドメイドシリーズとも異なるテイストで、仕上がりにも満足しています。

10月にはPRE-RELEASEという事でスペック等を簡単に発表させて頂きましたが、
今回はもう少し詳しく、その起源となるサム山岡ハンドメイドシリーズなども
紹介させて頂こうではないかと思います。

誕生は確か1990頃?・・・その名は“F8バイブ”

何故だかはっきりしないのがこのシリーズを初めて制作した時期。
内部構造を記したノートを見ると前後のページが90年〜91年なので
多分その辺りなのでしょう。

下の写真のアルミ張り銀黒カラーが、
その頃からサム山岡の右腕?となり共に琵琶湖へ釣行していた“F8バイブ”。
歯形や擦り傷でボディー全体が艶消し状になっていることからも、
当時の活躍ぶりが想像できます。

そしてこの“F8バイブ”ですが、
今紹介したモデルのみが“F8バイブ”として存在したのではなく、
他にもいろいろありまして、次は下の写真を御覧下さい。

それはペイント、アワビ粉、ノーマルアルミ張り・・・と言う意味ではないですよ。
更に下の写真を御覧頂くと、お解り頂けるでしょうか。

そうです、違うのはボディー厚やヘッド形状、アイの位置、体高、そしてウェイト位 置。
試行錯誤を繰り返した結果これらの3モデルが制作されたのでしょう。

そして今回(ちょっとだけ)初公開なのが、この内部構造メモ!
(20年ほど前のノートだけに年季が入ってます)
ノートに記述されている内容は
何ミリのバルサを使用しているか、ワイヤーの位置、どのウェイト位置と重量が理想的か、
物によってはリップの形状、マスクのデザイン、何年に○○カラーを何本制作等が記述されています。
記しておくべき最低限の内容が書き残されています。
絶え間ない改良や再生産を視野に入れていたからなのでしょう。

ちなみに上からファットタイプA,B型C,D型と名付けられていたようです。
これらは基本的にフローティングからスローライザーの設定で制作されているようで、
先日それぞれを泳がせてみたところ、
確かにそれぞれに特徴の異なるリトリーブアクションでした。


(タイガー系が多く、この他にもまだありました)

またそれぞれにペイントタイプとアルミ張りタイプが存在し、
サム山岡が好んで使用していたのはA,B型とC,D型のペイントタイプだったようです。


(フラットに見えるが、実際には丸みがあるのが魅力的)

A,B型とC,D型は動きが似ており、比較的ボディーの震えがはっきりしていますが、
その動きは細やかで(人間の目で見て)激しくなく、うるさくないアピールです。


(サスペンドタイプで重量があり実力はありそう)

そしてもう1タイプとして存在したファットタイプはと言うと、
更にそのアクションが細やかに設定されていました。
丸みを帯びたヘッド形状が大きく影響していると思われますが、
バイブレーションと言えば激しい振動が全盛期の中、
様々な試みが成されていたようです。
でも、サム山岡はこのファットなボディーがどうも気に入らず、
ほとんど使っていなかったそうです・・・

F8バイブはSUM VIBrationに生まれ変わる

もしかすると上記の“F8バイブ”解説で大まかにはご想像頂けているのかもしれませんが、
今回発売となりますこの“サムバイブレーション”は、
その動きも“F8バイブ”の特徴を理想的に受け継いだ発泡樹脂バージョンで、
そのアクションはアピールが激しすぎず“F8バイブ(A,B型、C,D型)”を彷彿させます。

バージョンアップ

これは基本となるオリジナルのボディー形状が類似している事と
インジェクションモデルの様に中空のボディーではない事によってのウェイトバランス、
ノンラトルによる効果から生み出されています。
また、改良面としては水受けるヘッドの形状やテールの形状が挙げられます。

今回採用した発砲樹脂という材質上の理由から
“サムバイブレーション”はシンキングタイプですが、
ヘッド形状は低速でもアクションするようフラットにして抵抗を強くし、
細かったテールは強度とキャスタビリティー向上の為にボリュームを与えています。

使用感

もしかしたら初めて“サムバイブレーション”をリトリーブした時、
その引き抵抗の少なさに心細さを感じられる方もおられるかもしれません。
しかし、考えようによっては“今までは無駄に動きすぎていた?”なんて事もあり得ます。
実際に他の製品と釣り比べてはいませんが、
これまでの使用感&結果からしてもその能力に不足感を憶えた事はありません。

実際、バスに於いてはバルサモデルの時代より
プレッシャーやスレに強い印象をもっていますし、
先日のリバーシーバス釣行於いても他のアイテムを上回る予想以上の好反応でした。

もう一つの特徴にこの“サムバイブレーション”が重すぎない事が挙げられます。
沈下速度が比較的遅いのでドシャローエリアを狙いやすく、
ボトムにヘッドがタッチした場合も倒れ込みがほとんどありません。
これは沖側から掛け上がりを狙う時などにも重宝します。

逆に欠点としては、強風時など沈下の遅い事(ウェイトが足りない)が原因となり
使い辛い場合があるかもしれません。
また、発泡樹脂素材は比重が均等な(全体に重量がある)バルサモデル同様、
高速リトリーブ以上でバランスを崩しやすい傾向があります。

最後に

全てのシチュエーションで満足頂けるとまでは言えませんが、
十分にその価値を理解して頂けると考えておりますので、
是非その実力をこの冬、そして来春に体感して下さい!!

最後の最後にサム山岡の一言

ハイスピードはおろかスロースピードでも
安定した泳ぎのバルサ製バイブレーションを作るのは難儀でした。
だから当時から本当は作りたくなかったのですが、
自作で釣ってみたかったから、少々・・・どころか結構な数を作りました。
それにアルミタイプに飽きた頃だったので
ペイント物も色々作りました。
琵琶湖の南湖で4月に40アップを夕方かなり釣った事は楽しい思い出です。
今は12月ですから琵琶湖でもそう簡単に釣れると言う訳にはまいりませんが、
暖かい夕方、出来れば曇りであればバタバタと釣れる可能性はあります。
(バタバタとは入れ食いの事で30分で10匹以上です。)
今年向けとしては少し遅くなりましたが、来年用としては十分です。

SUM 山岡

SUM VIBration

length : 75mm
weight : 約13g(sinking)
material : 発泡樹脂
color : 全6色
price : ¥1995-(税込み)

サムルアーズショップにて発売目前!!

明日(12/4)はchunk chopの発表だ!!