2010/1/23
new S45


フランクサムマイクロに次ぐサム山岡のトラウト向けアイテムはこの“S45”。
もうレポートコーナーや動画で御覧頂いた方も多い事でしょう。

今のところ管理釣り場のみでの実釣テストが行われていますが、結果は上々。
もう間もなく渓流の解禁が訪れますが、今年は昨年以上に熱い鱒の春が迎えられそうです。

このモデル、これまでは50ミリハンドメイドミノーとか呼んでましたが、
最終的にオールドサム時代のネーミングから“S45”となりました。
“S”(シンキング)ってのは解るが、なんで50から45なの?
これがビミョーなところで、下の写真を御覧あれ。

上から発泡樹脂モデルの次作“40cw” 下が現行“50cw”
そして真ん中が“S45”な訳です。
見れば“なるほど〜”と思っていただけるでしょうが、
じゃあなんで“50ミリミノー”って呼んでたんでしょう。
それはまぁ“適当に呼んでただけ”だった訳ですねん。
まぁ実際のボディー全長(アイを含まない)もまた曖昧な47mm位ですから・・・。

まぁ40、45、50と数字が違った方が“ヨンマル”とか“ヨンゴー”とか呼ぶ時に
いちいち“cw”とか“S”とか付けなくていいですからね。

かなり余談ぽい話でしたが、ついでに現行の“50cw”との比較をしてみるとこんな感じ。
ボリューム的には半分くらいになった印象を受けます。

“S45”のサイドはかなりフラットになっているのでフラッシングの効果も高いでしょう。
トゥイッチしてヒラを打った後の戻りがたまらんですね。
魚のサイズがそれ程大きくない小規模な河川ならサイズの差が釣果に現れる事もあるはず。
また、タックル的にも3グラム以下がメインの方は“S45”です。

ただ、ポイントが遠い場合や風の影響を受けやすい状況ならば“50cw”でしょう。
価格の面から考えても厳しいところ狙うならリーズナブルな“50cw”。
フックサイズから考えても中型の以上の鱒類が掛かる可能性があるなら“50cw”。

new S45 の過去と今

ところでサムルアーズラインナップには
トラウト専用とも言える製品が徐々に増え始めている訳ですが、
サム山岡のオールドサム時代を振り返れば
今回の“S45”も決して“トラウトミノーに新規参入!”という事ではありません。

トラウト用としてオールドサム時代から制作していたモデルは
サイズ違いを含めて多数存在します。
今回の“S45”に近いモデルとして挙げられるのは“S50”です。
(過去に何度か管理釣り場への釣行で活躍してます、というか助けられました。)

一見して解る違いはボディーシェイプにラインアイの向き。
はっきり言ってほぼ完全なるフルモデルチェンジです。

下の写真に見えるのはオールドアバロンチップバージョン。
アワビ粉を惜しげもなくまぶした為か表面に凸凹感が残るものも。
そんな事、魚には全く関係ないと言う以外に、見ているとオールドサムの歴史と味を堪能できます。

見た目が別物であるだけでは済まされないのが今回の“S45”。
当時のモデルの欠点を大きく克服しています。

ラインアイの向きを変更した事によってトゥイッチ時のダート感は変わりましたが、
泳ぎのリトリーブアクションの安定感は相当にアップしています。
特に流れの中での使用感にはその差が大きく現れるでしょう。
内部構造についても相当な低重心へと大きく改良を加えていますので、
かなりの流れでも姿勢を乱さず、確実に水流の変化を捉える事が可能です。

そして飛距離が格段に向上。
戦力としては、様々なフィールドで大幅にアップする事になるでしょう。

やや気がかりなのは・・・

フックは小型の鱒類の掛かりを重視して細軸を採用していますが、
流れの中で使用するならワンサイズ大きくするか、
太軸のフックに交換して下さい。
(ネットインした後に標準フックがネットに絡んで潰れる事がありましたのでご注意下さい)

SPEC

Material : Balsa Wood
Length : 47mm
Weight : 約2.7g(slow sinking type)
Hook size : ♯14 標準(ST-11)
Ring size : ♯1
Coating : Cellulose
ロッドアクション : ライトアクション
ライン : ナイロン4〜6ポンド
接続 : スナップ接続を推奨

価格 : 4725円(税込み)

サム山岡の一言

胃がキリキリと痛くなる釣りをしたい方は使って下さい。
バルサ、セルロース100%、低重心は貴方のロッドワークに正確に応えてくれます。
早い釣りでも遅い釣りでもそれが大切な事であるのは皆様よくご存じでしょう。
キビキビと動かないルアーもチューニング次第で少しは改善するかもしれませんが、
限界があります。

カラーについて

やっぱり人気が高いのはアルミ張りモデルです。
今回の仕様も価格を抑えるために顔張りは無しになります。
その変わりという事にはなりませんが、
ベリーの色や目玉のレインボーシートの色を変えるなど、
ユーザーのお好み?それともサム山岡の気まぐれ?で細分化しています。


(赤目はオールドサム以来の復刻仕様)

下の写真は先日のレポートコーナーで未掲載だったお魚達を
「撮影したのだけでも」と載せてみました。
アルミ張りカラーで釣れた魚です。

改めてアバロンチップバージョン

さて今回説明に力を入れたい、いや改めてお薦めしたいのはアバロンチップバージョン。
トラウトアングラーの方の多くはキラリと光るカラーリングをお好みの様です。
例えば派手なペイントカラーなどはポイントがスレると言われている事もあり、
敬遠される傾向があるようです。
実際にサム山岡もそんな印象を受けた事があったと聞きますが、
アバロンチップバージョンに関しては違います。

実際に管理釣り場でもその差は見られません。
オールドモデルに於いても実績は高く、
サム山岡本人の経験からも渋めのカラーほど持続した釣果が得られたとの事。

まぁ、正確な釣果の差に於いては人為的な要素も含めて
様々な状況次第ですから一概に判断できないのは仕方ありません。
自信があって気に入ったカラーを使うのが一番でしょう。

ただ、アルミ張りモデルを遙かに凌ぐ性能を上げるとするなら・・・
それは耐久性ではないでしょうか。
如何にセルロースでコーティングしようとも
より硬い物体に打ち付けられた場合、その衝撃によってアルミホイルとセルロースは剥離します。

しかしアバロンチップの場合、そういった不安は一切取り除かれる事となります。
これはあくまでもオールドサム時代の物を含めて
今までの生産して使用してきた全てのアバロンチップバージョンの現状を確認しての事です。
天然の貝殻がボディーに一体化し硬い皮膜として守られたその表面は
長年のフックサークルすら探すのが難しい程です。


(アバロンチップバージョンのカラーリングは自由度が高く華やかだ)

もう一つその魅力を挙げるなら、
カラーリングとの調和、見れば見るほど深まる味わいです。
光の反射は角度を変える度に変化し、色彩との相性も申し分ありません。
既にアバロンチップバージョンをお持ちの方も改めて見て楽しんでもらいたいものです。

そして何よりも知り得る限りルアーにアワビ粉をちりばめた最初のビルダーがサム山岡なのですから。

サム山岡のもう一言

ルアーが特に小さなサイズの場合、比重小さいバルサボディーであっても
スライスした貝を貼ると動きは鈍くなります。
下地のカラーを生かしつつ貝の輝きを加える。
最も僕が愛用するカラーです。
絶対有利という訳ではありませんが、
どのような条件でも安定した結果を望めるでしょう。

販売方法に関しまして

全色サムルアーズショップにて発売いたします。
御購入いただける本数は“お一人様合計3本まで(同一色不可)”となります。

今回は販売カラー数が多い事により、カラーによっては早期の在庫切れも予想されます。
悪しからずご了承ください。

現在の予定では1月27日夕刻以降の発売開始となっております。