fishing_report

Date:
2024.8.20
Place:
北アルプス
Angler:
saddaさん
時間:
6時〜12時
スタイル:
ウェットウェーディング
天候:
曇りのち晴れ
気温/水温:
気温:22度/水温:8度
風向き:
不明
水面状況 :
平水
lure S45cw
釣果 イワナ ツ抜け
最大 29cm

一度やってみたかった沢詰め。いわゆる源頭まで登り詰め稜線へ突き抜ける釣行。どちらかというと沢登り色が強い。地図と睨めっこしながら地形を念入りにチェックし何とか日帰り可能なルートを設定した。ルートをGPSに入力すると総距離は12.6km。しかし実際は沢を直線的に登れないので高巻きを加味すると14km弱のルートとなる。入渓点まで1時間ほど歩き沢に入る。まずは標高を上げるため1kmほど先に設定した支流との分岐を目指すが一気に登り過ぎてすぐにバテる。仕方なく少し休憩しがてら竿を出す。早速リアルキャタピラーを打ち込むが反応がない。そこで光り物を細く通すと魚が出てくるがバイトに至らない。この辺りはまだ標高が低く容易に引き返せるため多くの釣り人が入っているようだ。その痕跡も多く見受けられる。しかし噂通りの魚影だけあってランガンでそれなりに釣れる。2時間ほどで最初の設定ポイントに到着しエネルギー補給し本格的に釣り上がる。標高を上げれば上げるほど魚影は濃くなる。そして標高が1500mを超えた辺りから状況が変化する。まず光り物に反応するのだが早期に見切ってしまう。そこでリアルキャタピラーに交換し打ち込むと大量のイワナがチェイスする。しかしバイトに至るケースは3割以下。やはりネイティブは手強い。納得いくバイトが得られないまま試行錯誤が続く。水の止まった岩陰にリアルキャタピラーを打ち込み放置するとポーズ中のルアーにバイトする。なかなかの良型だ。そこでリアルキャタピラーを落ち込みにキャストし流れに合わせてリトリーブする。ルアーは僅かに泳いでいる状態。数匹のイワナがチェイスする。そして足元までリトリーブし流れの止まった岸際に放置するとポーズ中のルアーにイワナがバイトする。まさにこれはドライフライの釣り。ルアーというカテゴリーならば究極のサーフェイスサイトゲームだろう。何たることかこれが本日の鉄板パターン。再現で最も簡単にバイトする。こんな経験は初めてだ。さらに新しい発見。ポーズ中のルアーにバイトするのだがその半数弱はルアーを尾で叩いているのだ。これは人間の浅はかな想像だが魚はリアルキャタピラーを生きていると認識し、岸際に追い詰めた後、さらに弱らせて仕留めようとしているのではなかろうか。残念ながら叩いた時点で偽物と見破られるため再度バイトに至ることはなかったが興味深い現象であった。恐らく今日の釣りがリアルキャタピラーメソッド完結へのヒントとなるだろう。もっと釣りたかったがルートタイムをみると1時間押し。帰着時間を考慮し本当に名残惜しいが退渓ルートの支流分岐できっぱりと納竿し稜線を目指す。しかし沢登りはここからが本編。滝の直登あり、オーバーハングありと結構な難易度。楽しみながら頭も体もかなり使わされた。やがて傾斜は終わり水が切れGPSで設定した退渓路の涸れ沢を数分登るとついに稜線に抜ける。そう、この快感が本当なのか確かめたかった。何とも言えない爽快な達成感。もちろんリスクや不安からの解放も相成ってこの快感が得られるのだと思う。少し休憩して登山道を下利始めると本日の本当のフィナーレがやってくる。前方に黒い物体が蠢いている。まさしく熊。50kgくらいの成獣だ。カウンターアソールトのセフティピンを抜き後ずさりする。するとこちらが下がる分、興味津々と寄ってくる。ホイッスルも音楽も効果なし。逆に寄ってくる。とにかく人馴れし過ぎている。きっと人間が落とした食べ物等に餌付いてしまっているのだろう。20分程睨み合い諦めたように笹林に帰っていった。今回は事なきを得たが常にこれらのリスクを背負って山に入っていることを再認識した。今回も自然のリアルを感じられ素晴らしい経験を得ることが出来た。また行くかと聞かれたら悩ましいがちょっと考える。皆様もアタックの際は万全の準備と装備で挑んで欲しい。

sum山岡の一言

希望通りの釣りを良くやられ無事戻られ、おめでとうございます。今回のレポートは特別興味深いものでした。一度比良山の貫井谷の沢登りを経験した事がありますが、二度としたくありませんでした。単独行動はどうかなあ、、、と思います。ありがとうございました。

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sum