fishing_report

Date:
2024.9.25~27
Place:
黒部川源流域
Angler:
saddaさん
時間:
25日半時、26日日中
スタイル:
ウェットウェーディング
天候:
晴れ
気温/水温:
気温5度〜14度/水温9度
風向き:
不明
水面状況 :
平水
lure S45cw
Suming-50cwS
共にリアルキャタピラーカラー
釣果 イワナつ抜け
最大 27cm

 シーズンも終わろうとしているがやり残していた計画がある。それは北アルプスの聖地「黒部源流釣行」だ。一般的に黒部ダムから奥の廊下といわれるエリアが有名だが狙う目的地は薬師沢から上流域だ。ここに行くための足労は多大なものであり、もちろんそれなりのリスクもある。行くなら今しかない。もう覚悟は決まっている。複数の天気予報を確認しここしかない日程で計画を実行する。
 初日、10kgのバックパックを背負って7時半から登山開始。いきなりの急登に歩みは進まない。4時間かけて中継地点の太郎平に到着。一気に標高を1000m弱上げた。ここで食事をとって登山再開。今度は谷を目指しての下り。2時間半で本日の目的地である薬師沢小屋に到着。流石にバテたので休もうと思ったが目の前に広がる美しい渓に釣り欲は抑えきれない。小屋のスタッフさんからポイントを聞き30分ほど釣ることにする。さすが噂通りの魚影であるがルアーでの反応はイマイチ。何故か源流域においてルアーは厳しい傾向がある。チェイスはするがバイトに至らないことが多いのだ。しかしリアルキャタピラーをフワフワとドリフトさせると連発する。数匹キャッチし確認作業も完了したので小屋へ戻る。釣りの常連さんと話すとルアーでのキャッチに驚かれていた。何と「ルアーはボウズあるよ」との事。ルアーを見せて欲しいというのでリアルキャタピラーを見せると「これじゃテンカラと同じじゃん」と爆笑だった。タフなフィールドコンディションに不安を感じながらも明日の大きな期待を胸に就寝した。
 そして二日目。いよいよ沢詰めだ。まだ肌寒い渓を遡行する。本日の計画は標高600m上げ、距離は7km。ただルートタイムが不明確なため余裕を持った計画でアタックする。残念ながら数人の先行者がいたが皆テンカラであると判っているので竿抜け打ちはイージーだろう。薬師沢小屋から約2km、沢登りで有名な赤木沢に到着。黒部源流でもっともシンボリックな場所だ。この滝を越えて釣りを開始する。手前の解りやすいポイントからの反応は皆無だが距離のある対岸側からはコンスタントに魚が出てくる。しかしサイズが小さい。また小場所や瀬からは全く反応がない。魚が定位しているのは水深があってシェードやストラクチャーに絡んでいる場所。ヒントを頼りに情報を蓄積し適度にキャッチしながらテンポよくガンガン登る。
 かなりの大場所。対岸までの距離は約15m。岩盤のエグレが奥へ伸びシェードとなっている。見ると魚が数匹浮いている。こんな場所はルアーの独壇場であろう。S45cwフクラスズメを魚の鼻面にキャストするとポチャパク。この感触は久しぶりの良型。キャッチした魚は黒部源流では非常に貴重な在来種。これまでに見たことのない美しい魚に疲れも吹き飛ぶ。これでテンションも上がりさらに登り詰めるが反応が徐々に薄くなる。やがて五郎沢出合に到達。上流を見ると先行者。少し時間を空けないと難しいだろう。また時間も考慮しここで釣りを終了する。河原で昼食を取りつつ沢登り仕様に装備をパッキングし五郎沢筋を一気に詰める。事前に地図で確認した通り難易度の高い滝はほぼ無く、全てを直登で走破。約2時間で稜線へ到達した。この瞬間は本当に快感だ。
 そして二日目の宿泊地である黒部五郎小屋に到着。明日のロングトレイルのために装備をセッティングする。夜はベテラン登山者たちと楽しい時間を過ごす。山の楽しみはこの時間に集約されると行っても過言ではない。釣り人は私だけだが岳人たちからは多くの貴重なお話を聞くことが出来た。
 そして三日目。今日は移動のみ。標高1500m下げ、コースタイム9時間。距離は18kmと最終日にして最長の山行だ。黒部五郎岳をはじめ標高2500m以上のピークを7つ踏んでヘロヘロになりながら無事下山口に到着する。
 長かった釣行いや山行もこれにて終了。決してパラダイスというわけではなかったが、美しい自然に囲まれながら生きることに充実した三日間を過ごすことが出来た。総走破距離38km。累積標高4400m(登り2200m 下り2200m)。トータルコースタイム23時間。壮大な旅は終わった。ちなみに体はまだボロボロだ。また行くかと聞かれれば言わずとも必ずまた行くだろう。さらに奥を目指して。

sum山岡の一言

立派〜。体調さえ良ければまた行く事になるでしょう。行く価値はある。ありがとうございました。

レポートコーナーにご投稿下さいます場合はemailまで釣果 写真を添えてお送り下さい。

sum